人は、情報の約80%を目から得ているとも言われており、視覚は、五感の中でも最も大切な感覚であると言えます。
そんな大切な感覚であるからこそ、些細な症状や、ほんの少しの気になることであっても、ぜひとも眼科を受診して頂きたいのです。受診が早ければ早いほど、症状もご不安も早く解消され、治療にまつわる負担そのものが軽くなります。
万が一にも、目の病気が重症化することによって日常生活に支障をきたすようなことがないよう、皆様の幅広いご症状・ご相談に、豊富な臨床経験のもと、きめ細かくお応えしていきたいと考えております。
上記以外にも目の病気には色々な症状がありますが、いずれの場合も、気になる症状があればまずはお早めに眼科を受診するようにして下さい。
充血の場合と出血の場合があります。
充血は炎症で血管が拡張して、その血管がスジ状に見えるものですが、筋状ではなく白目全体がどんよりと赤い場合もあります。細菌やアレルギーによる結膜炎のことが多いのですが、上強膜炎、強膜炎、虹彩炎、点状表層角膜症、ドライアイなどの結膜以外が原因のこともあります。
コンタクトレンズをしている場合、角膜に傷がついていたり、はめたまま寝てしまい角膜が酸素不足でただれてしまっている場合もありますので、装用を中止した上で、すぐに眼科を受診して下さい。
出血の場合はいかにも血液という感じで、鮮赤~朱色である程度広がりのあるものです。結膜下出血といって結膜の裏側にある血管が中で切れて、出た血液が透明な結膜を通して透けて見えている状態です。皮膚でいうと打撲後の青あざ(皮下出血)のようなものです。
皮下出血と同様に、放置しても通常数日~1・2週間で吸収されますが、再出血することもあります。目の中の網膜にも出血している場合もありますので、眼科を受診されることをお勧め致します。
細菌やウィルス、アレルギーなどで結膜炎を起こしていることが大部分です。ごく軽い場合には自然に治る場合もありますが、長く続いている場合は涙が鼻に出て行く通り道(涙道)の途中にある涙嚢(るいのう)という袋が炎症を起こして化膿していることがあります。
原因によって治療法が異なりますので、悪くならないうちに眼科を受診することが大切です。
アレルギー性結膜炎の症状の一つとして知られていますが、他にも、涙の排水路である涙道が気づかないうちに炎症で詰まってしまい、眼のところであふれ出てしまったり、まつげが内側に向かって生えている「逆さまつげ」の刺激で出ることもあります。
知覚が敏感な人は冷たい風に当たると涙が出たり、ドライアイの場合に乾燥による刺激で逆に涙がジワッと出る場合もあります。原因によって対処法が異なりますが、結膜炎は点眼薬で治療します。いずれにしても、まずはお早めの受診をお勧め致します。
花粉やダニ、カビ、動物の毛やフケなどに対してアレルギー反応を起こすアレルギー性結膜炎に多い症状ですが、必ずしもアレルギーとは限らず、逆さまつげが目を傷つけていることもあります。
かゆいからといってこすってしまうと瞼や結膜が腫れてしまい、ひどい場合には白目の結膜がブヨブヨになって瞼からはみだしてしまうこともあり、点眼薬での治療が必要です。
近視、遠視、乱視、老視(老眼)のほかに、病気のことがしばしばあります。 2~3秒、数分、数十分で回復するものや長く持続するもの、突然起きる場合や、何ヶ月、何年もかけて徐々に起きる場合もあります。
心配のないものから失明にいたる場合のあるものまで原因は非常に多く、目が原因でなく脳の問題であることもありますので、まずは眼科できちんと診察を受けて下さい。
眼は体と同様に、使い過ぎれば当然疲れます。パソコンや携帯メールを長時間続ければ疲れるだけでなく視力も短期間のうちに極端に悪くなることがあります。さらに肩こり、頭痛にもつながります。他にも、遠視、近視、乱視、老視などが正しく矯正されていなかったり、視力に左右差があったり、斜視、結膜炎や虹彩炎、ドライアイ、緑内障などの病気が原因のこともありますので受診が必要です。
尚、眼を使い過ぎて疲れた時は作業を中止して眼を休めて下さい。火傷をしない程度の熱さの湯をしぼったタオルで瞼の上から眼を温めると楽になります。
このような症状を飛蚊症(ひぶんしょう)といいます。黒い物だったり透明なアメーバのようだったり、虫のようだったり、髪の毛のようだったり、色や形、数は様々です。中にはそれが大きいため邪魔になって読んでいる字がそこだけ見えないこともあります。
飛蚊症の大部分は病気ではなく眼の老化によって起きるものですが、眼球の内部の炎症や出血、網膜はく離のこともあります。何年も変わらないような飛蚊症はまず問題ありませんが、急に出てきた、増えたなど、気になる場合はできるだけ早く精密検査を受けてください。
飛蚊症が原因ではなく視野の中に見えない部分がある時は、網膜や視神経の病気、頭の中の病気のこともあります。
目の周りの骨の部分が痛かったり、眼球ではなく眼球の後ろの方が痛む場合には、目が原因ではなく副鼻腔炎のことがあります。鼻の症状があったり、微熱が続いている場合はまず耳鼻咽喉科で診てもらうことをお勧め致します。
また、視神経の炎症や糖尿病による脳神経麻痺に、目の奥の痛みが伴う場合もあります。
まず、それが片目で見た時にも二重に見えるのか、両目で見た時には二重に見えるが、片目ずつでは普通に見えるのかを確かめてください。
片目ずつでは普通に見えるという場合は、斜視の場合もありますが、主に脳や体に原因があることが考えられます。この場合は、脳神経外科や神経内科、総合病院の眼科を受診してください。
片目で見ても二重に見える時は、そちらの眼に異常があります。乱視や白内障、角膜の異常、網膜の中心部が腫れていたり、網膜はく離が見つかることもあります。